誰でも一つや二つ、心に引っ掛かったままの嫌な思い出があるはず。
誰でも理想の自分と現実の自分とのギャップに苦しむことがあるはず。
でもネガティブな感情は、必ずしも悪いものばかりではありません。
ネガティブは裏を返せば、自分を客観視して見つめ直すことができる、自分が成長するきっかけにもなり得るのです!
今回はそんな『ネガティブ』がキーワードのコミックをご紹介します!
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今回とりあげる作品は?
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丈山 雄為 集英社 2016-03-04
売り上げランキング : 33234
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ヤミアバキクラウミコ
タイトルがカタカナなので、パッと見だとわかりにくいですがこう直せばどうでしょう?
闇暴き喰らう巫女
おお…なんだかわかりそうでわからん!!!
しかしまさに人間の闇を暴いて喰らう巫女さんのお話、なのです!
まず初めにいちばん大事な注意事項を。
この漫画、結構グロいです。
表紙を見ていただければお分かりになるかと思いますが、血がブシャアッとか人間がグチャ…とかいうエグ~い描写がたくさん出てきますのでお気を付け下さい。
ではでは本編の内容に進みますよ~!
あらすじと感想・その1~転校生の闇子さん
本編は何か正常な状態ではない男性が飛び降り自殺をするところからスタート。
冒頭からグロいぜ!!!!
それを見ていたセーラー服の女の子が「ごめんなさい…」と意味深な言葉を口にします。
場面は変わって、この物語の主人公となる須川シュンくん。
お姉さんと朝ご飯を食べながら男性の自殺のニュースを見ますが完全に他人事。
お姉さんに「昔はシュンも優しかったのにね~」なんて言われてしまいます。
シュンにとって「昔は優しかったのにね」という言葉はとても重いもので…。
小学生の頃にいじめられているクラスメイトの女の子を助けたシュンは、次の日から自分がいじめの標的になってしまったという辛い過去があるんです。
それは彼に大きなトラウマを植え付け、高校生になった今でも彼を苦しめているのでした。
人間を信じると裏切られる。助けると身代りにされる。
そりゃあ人間嫌いにもなりますよね。。
自分は女の子を助けた のに、 主人公にはなれなかった。
自分のことが嫌いだ、というシュンのモノローグ。
人間が嫌いになった、でも本当は自分のことが一番嫌い…シュンの複雑な胸の内を覗いてしまったような気がします。
(でもシュンくん、君がこの漫画の主人公だよ!!!作者の丈山先生によると、現実にいそうな名前とルックスにしたそうです。)
さて、シュンは高校生活を淡々とやり過ごしているわけですが、そんな彼の日常を揺るがす?転校生がやってきます。
そう!コミックの表紙にもなっていたおかっぱ頭の女の子、宵野闇子さんです!!!
(ちなみに闇子さんは、現実から浮き上がった名前と雰囲気にしたそう。確かに、闇子なんて名前の転校生がやってきたらざわつくしかないぞ…)
闇子さん自己紹介シーン
「嫌いなものは人間です」
えっ
どう見ても浮いちゃってる闇子さん、早々にクラスの女子に目を付けられます。
トイレに呼び出されていじめられる現場を通りかかったシュンが偶然目撃!
過去のトラウマがフラッシュバックするなか、助けなきゃ!!!と声を出そうとしたその時
「何か」がシュンの身体へ。
助ける気をなくしたシュンは、その場を立ち去ってしまいます。
その「何か」の気配を感じた闇子は「くたばりやがれです」とクラスメイトの女子たちをそれはもう恐ろしい方法で撃退し、シュンを追いかけるのでした。
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あらすじと感想・その2~黒の巫女
人のいないところへ…とシュンを誘導した闇子。
説明もなく「あなたの心へ入ります」
…ってどういうこと!??
そのまま「シュンの心」の中へ。
シュンのトラウマである小学生のとき自分をいじめた女の子たちがそこにいました。
シュンの心は「陰獣」に侵入されているというのです。
陰獣により「陰胎」が肥大化し、心の中で陰胎が攻撃を仕掛けてきます。
その攻撃を受けると死んでしまうかも…なんて急に言われても!
闇子とともに心の陰獣に立ち向かうのは「まぐちゃん」。
名前めっちゃ可愛げあるけど見た目めっちゃ気持ち悪いんだけどこれなんなんだろう…。
まぐちゃんは話し方が完全にオネエですごくいいキャラしてます。
正体は謎です。でもいいキャラです。
最終的にはシュンが自分の心と向き合うことで闇子へ力を与え、とどめの一撃。
「黒の巫女が命ず 此の胸に混ざりし血 此の心に零れし涙 そして 彼の者が取り戻せし魂に従い 我が躰を導け」
「闇禊赫剣!!」
アニメ化が決まりそうな決め台詞(正しくは剣の召喚台詞)じゃないですか!?
グロすぎてモザイク祭り→完全版はブルーレイを買ってね!ってなるところまで想像した…。
目が覚めたシュンはなんだかとても晴れやかな気分。
闇子さんのおかげなのかな…と思いをはせるも、「闇子さんは何者なんだろう?」という疑問が。
闇子とまぐちゃんは陰獣を喰って回っている、という。
陰獣は弱った人の心に侵入し、心を食い散らす。しかし人からは見えず気づけない。
心を食い尽くされた者の末路は自殺か他殺
…って冒頭で自殺した男の人完全にそれじゃん!!!!
陰獣は人に知られず人を食う。…が、陰獣を感知できて陰獣に干渉できるごく僅かな選ばれた人間 それが「巫女」。
闇子は闇を喰らう巫女の一人「黒の巫女」
闇子が黒の巫女ということは、他の色の巫女もいるのかな…?
あらすじと感想・その3~人々の心の闇
第1巻には、あと2人陰獣に侵入されてしまった人のエピソードが出てきます。
一人はシュンのクラスの担任の飯田先生。
彼女は「正しいこと」は何なのか?正しい教育とは?と、生徒、親、上司の間で悩んで心が壊れそうに…。
今の時代、実際に同じように悩む先生がいそうで笑えませんね。。
もう一人はシュンのクラスメイトの佐藤幸恵ちゃん。
彼女は家庭事情から、心が壊れそうになってしまいます。
いや…もう壊れてしまったのかもしれません。
母の再婚相手に性的暴行を受け、味方であるはずの母にも疎まれ…。
正直、テーマが重すぎて読むのが辛かった…。
救い、あるのかなぁ。
この先、彼女が幸せな日々を送れることを願います。
まぐちゃんに気に入られたシュン(才能があるらしい!)は、半ば強引に陰獣退治に付き合うことになりました。
人々の心の闇を通して、「人間嫌い」の彼がこれからどう変わっていくのか楽しみです。
闇子さんとの関係も…そのうち何か生まれるに違いない!!
第1巻は、朱音と藍生という二人の少女が登場して終わっています。
早速赤と青きたーーーー!!!
彼女たちは敵か味方か?何者なんでしょうか。
藍生は「闇子を止めてやらねば」と発言しています。
闇子さん、まぐちゃんもまだまだ謎が多いので、第2巻の展開に期待です…!!!
P.S. モヤモヤするときは体動かすに限るぜ!な意外と単純なシュンくん、嫌いじゃない!
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